有朋高等学院ロゴ


校長あいさつ

 校長先生    

校長 神野 美智男

   修士(臨床心理学)
   博士(認知心理情報学)




青春時代の記憶

 私たちは、この世に生を受けてから、たくさんの事を学び、記憶に残します。 その記憶には、何度か聞いたのにもかかわらず忘れてしまったものから、 一度しか聞いていないのにずっと頭に残っているものなど、さまざまなものがあります。 また、記憶は、大変おもしろい性質を持っていることでも知られています。たとえば、人生の先輩たちに、 「何歳位のときの記憶や出来事が一番よく残っていますか」と質問したとします。すると、 「10代後半から20代後半くらいまで」と、ほとんど同じ答えが返ってきます。 その年齢層は、一般的にいわれる“青春時代”に相当します。 そう、ズバリ、あなたたちの年齢の時の出来事が、最もよく思い出されるというのです。

Where am I going?


 しかも、興味深いことに、この時期以外に起こった出来事は、それほど鮮明には残っていないといいます。 とても不思議だと思いませんか?これは、専門的に『レミニッセンス・バンプ』と呼ばれる現象で、 万国共通、世界中のほとんどの人に共通しているのです。 では、どうして10代後半から20代後半の記憶だけが突出して思い出されるのでしょう。 それは、強い感情を伴う出来事は記憶しやすく、思い出しやすいという記憶の特徴によるためです。 青春時代は、進学や就職のために家を離れたり、友達と出会い友情を育んだり、誰かを好きになったりと、 とても多感な時期で、インパクトの強い出来事がたくさん起こります。この時期のこうした一つひとつの出来事は、 心にしっかり刻み込まれるだけでなく、視覚や嗅覚、皮膚などの感覚を通して、全身の様々な部位に奥深く刻まれていきます。 残念ながら、私たちは年齢とともに、自由さや可能性の幅は狭くなっていきます。 このようなことから、私たちは、ノスタルジーといった感情に喚起されて、青春時代を好んで思い出すとも言われています。 だから、「青春の思い出は美しい」、「青春時代は楽しくて輝いていた」となるわけです。

 また、これとは別に、私たちの記憶は、ポジティブな記憶はあまり薄れないものの、 ネガティブな記憶は薄れやすいという特徴をもっています。 たとえ、今、辛くて苦しい思いをしていたとしても、その感情がこれからもずっと続くなどということはありません。 必ずそれらは時間の経過とともに薄れ、やがては記憶のかなたに追いやられていく運命にあります。

How can I get there?


 こう考えると、いつまでも記憶に留まっている楽しい思い出は、多い方がいいに決まっていますよね。 そうは言っても…、どうすれば…。 自分にとっての楽しい思い出は、自分の手で一つひとつ作り上げていくしかなさそうです。 楽しい思い出をつくろうとするかしないか、そのような思い出をつくるために、一歩踏み出そうとするかしないか、 それはすべてあなたの気持ちの持ち方で決まります。今という青春時代の大きく揺れ動いている気持ちも、 気がつけばいつの日か、「美しい思い出」へと変わっていることでしょう。 『振り向けば、今が青春!』